私たちの人生には目的がありますか？それとも、ただ漠然と過ごしているだけでしょうか。人生の目的、すなわち「パーパス」を持つことが、幸福感とどのように関係しているのか、この記事ではその理由を探ります。
まず、パーパスとは何でしょうか。パーパスとは、人生における目的や意義を指します。これは、自分が何のために生きているのか、どのような価値観を大切にしているのかといったことを意味します。パーパスを持つことは、自分の人生に対する意識を高め、自分自身をよりよく理解することにつながります。
では、なぜ個人のパーパスが決まると幸福感が高まるのでしょうか。以下に、その理由をいくつか紹介します。
自己肯定感が高まる
パーパスを持つことで、自分の人生に目的があると感じることができます。これにより、自分に自信を持ち、自分の価値を認めることができるようになります。自己肯定感が高い人は、他人と比較することが少なく、自分の人生に満足感を持ちやすいです。自己肯定感が高まることで、自分の人生に対する評価が向上し、幸福感が高まります。
逆に、自己肯定感が低い人は、常に自分が「普通」であるか不安を抱えているため、他人と自分を比較することで安心を得ようとします。しかし、安心を得たとしても、すぐに新たな不安を見つけ出し、再び他人と比較します。パーパスを持つことは、ゴールを明確にすることと同義です。その結果、ゴールに向かうことで安心感を得るようになり、他人と自分を比較しなくなります。
ストレスや不安が軽減される
パーパスを持つことは、ストレスや不安を軽減する効果があります。人生に目的があると感じることで、困難な状況においても前向きな態度で取り組むことができ、ストレスや不安を乗り越える力を持つことができます。これは、幸福感を高める要因となります。また、ストレスや不安が軽減されることで、心身の健康が向上し、日常生活においてもポジティブな影響が生まれます。
パーパスの内容は、時間がかかってでも実現したい目的が設定されます。「実現したい」という欲求は、ストレスや不安を乗り越える後押しをしてくれます。同じような現象は、趣味においても見られます。例えば、ゴルフのスコアが伸び悩んだ時に、練習に行ったりスクールに入ったりすることがあります。パーパスを持つことは、仕事においても困難を乗り越える力を持つことができるようになるということです。
人間関係の質が向上する
パーパスを持つことは、人間関係の質を向上させる効果があります。自分の人生に目的があると感じることで、他人とのコミュニケーションが円滑になり、人間関係が良好になることが報告されています。良好な人間関係は、幸福感を高める重要な要素です。また、人間関係が良好であることは、自分の人生においてサポートを受けやすくなり、困難な状況においても助け合いができる環境が整います。
パーパスを持つと、考えに一貫性が生まれ、裏表がなくなります。また、モラトリアムから脱出することで迷いがなくなり、心にゆとりができます。これにより、人との信頼関係の構築が容易になり、人間関係が良好になると考えられます。サポートが受けやすくなることや、困難な状況において助け合いができるのも、この信頼関係が元となっています。
目標達成による達成感
パーパスを持つことで、具体的な目標を設定し、それを達成することができます。目標を達成することで、達成感を感じることができ、幸福感が高まります。また、目標達成によって自己効力感が高まり、自分ができることに自信を持つことができます。これは、今後の人生においても前向きな態度を持ち続けることができるため、幸福感が持続的に高まることにつながります。
一般的にパーパスは、自己効力感が感じられる範囲で最も高い内容が設定されます。自己効力感を感じられているということは、具体的な目標と手段が見えているということです。これにより、日常の作業の一つひとつが、パーパスを実現するための作業となり、パーパスの達成に確実に近づいていると実感することができます。これにより、前向きな態度を持ち続けることができるため、幸福感が持続的に高まることにつながります。
意義のある人生を送ることができる
パーパスを持つことで、自分の人生に意義を見出すことができます。意義のある人生を送ることができると、幸福感が高まることが研究で示されています。自分の人生において価値あることを成し遂げることができると、自分の存在意義を感じることができ、幸福感が高まります。
そもそもパーパスとは、人生の目標であり、自身の存在価値を言語化したものです。また、パーパスに自己効力感が感じられていて、そして貢献の対象が大きければ大きいほど、存在意義を強く感じることができます。強い存在意義は、行動力とモチベーションを生み出し、自己満足に似た幸福感を感じることができます。
健康面でのメリット
パーパスを持つことは、心身の健康を維持し、病気のリスクを減らすことができます。また、精神的なストレスが軽減されることで、睡眠の質が向上し、免疫力が高まることも報告されています。これらの健康面でのメリットも、幸福感を高める要因となります。健康的な生活を送ることで、日常生活においても活力があり、幸福感が高まります。
パーパスを持つと、仕事に関わらず物事の優先順位が明確になります。パーパスを実現するために健康でなければならないと、容易に考えられるようになり、健康維持のための活動に興味を持つことができます。また、物事の優先順位が明確になることから、仕事や私生活の悩みが少なくなり、ストレスが軽減します。結果的にパーパスを持つと、心身に良い影響を与えることができます。
レジリエンスが向上する
パーパスを持つことは、人生のレジリエンスを高める効果があります。レジリエンスとは、困難な状況においても回復力を持ち、立ち直る力を指します。パーパスを持つ人は、困難な状況においても前向きな態度で取り組むことができ、レジリエンスが高まります。これは、幸福感を高める要因となります。また、レジリエンスが高まることで、人生の困難な局面においても自分の力で乗り越えることができ、自己成長につながります。
一般的にパーパスの内容は、人生をかけてでも実現したい内容になります。また前述したとおり、自己効力感を感じられる内容や、より大きな対象に貢献する内容であると、モチベーションを向上させます。これにより、パーパスを持っていない時と比べて、パーパスを持っている時はより大きな障害物を乗り越えられるようになります。また、失敗しても「パーパスを実現するための経験」と捉えることが可能となります。
成長と達成の喜び
パーパスを持つことで、自分の人生において成長し、達成する喜びを感じることができます。自分が成長し、達成したことを振り返ることで、自分の人生に対する満足感が高まり、幸福感が高まります。また、自分の成長を他人と共有することで、人間関係が深まり、幸福感がさらに高まることがあります。
パーパスを持つことで、パーパスを中心に身の回りで起きている物事を客観的に見ることができるようになります。また、貢献する内容になっていると、視点が高まり自らの幸福を他者の幸福で満たせるようになります。これにより、自分自身が人として成長している実感を感じやすくなり、幸福感が高まります。
人生のバランスが整う
パーパスを持つことで、人生のバランスが整い、幸福感が高まります。自分の人生において大切なことを見極め、それに基づいて行動することで、仕事や家庭、趣味などのバランスが整い、充実した人生を送ることができます。人生のバランスが整うことで、ストレスが軽減され、幸福感が高まります。
前述した通り、一般的にパーパスの内容は、人生をかけてでも実現したい内容になります。これにより、仕事に関わらず物事の優先順位が明確になり、仕事や家庭、趣味のバランスを取りやすくなります。そのバランスも、自らの選択で優先順位を付けられているので、納得感のあるバランスが取れるようになります。
人生の目標に向かって進む喜び
パーパスを持つことで、人生の目標に向かって進む喜びを感じることができます。自分の人生において目標を持ち、それに向かって努力することで、達成感や成長の喜びを感じることができます。また、目標に向かって進む過程で、新たな発見や出会いがあり、人生が豊かになります。これらの要素も、幸福感を高める要因となります。
パーパスを持って人生を送ることは、マズローの欲求5段階説の自己実現欲求の充足であり、アドラー心理学でいうところの共同体感覚の成熟であると言えます。この喜びの感覚は、他のどの喜びの感覚より強い感覚です。すべての言動がパーパスとつながり、常にパーパスの実現に向けて前進している感覚で満たされます。
まとめ
このように、パーパスを持つことは、幸福感を高める多くの要因につながります。自分のパーパスを見つけることで、人生に意義を感じ、幸福感を高めることができるでしょう。パーパスを見つけるためには、自分の価値観や強みを見つけ、目標を設定し、挑戦を続けることが重要です。自分の人生に目的を持ち、幸福感を高める人生を送りましょう。
また、パーパスを見つける過程は、一度きりではなく、人生の中で何度も繰り返されることがあります。人生のステージが変わることで、新たなパーパスが見つかることもあります。そのため、柔軟な心を持ち、自分の人生に対して常に意識を向けることが大切です。
幸福感を高めるためには、自分のパーパスを見つけ、それに基づいて行動することが重要です。自分の人生に目的を持ち、幸福感を高める人生を送ることができるでしょう。そして、周りの人々と共に成長し、幸せな人生を築いていくことができるでしょう。
