他者に共感を与えることが出来るか?

話している相手から「話しやすい」と感じてもらう最も簡単な方法は、相手の話に共感することです。しかし、本当は共感していないのに、相手の話に共感するのは、多重人格者でもない限り難しいものです。しかし、相手が「共感してくれている」と思ってくれるだけなら、これは相手が勝手に思う事なのでできそうです。ここでは、放している相手が「共感してくれている」と感じてもらえる方法についてお話していきます。

最も初歩的で簡単な方法(相槌)

相手が「共感してくれている」と感じてもらえる、もっとも簡単な方法は相槌です。相槌と言えば、相手の話に合わせてうなずく動作なのですが、声を合わせるとバリエーションが増えます。例えば「うんうん」「ふ~ん」「へぇ~」「ほほぅ」など、バリエーションは多岐にわたります。「なるほど…」や「良くありますね…」なども1つの相槌になります。

これによって、相手は「話を聞いてくれている」と感じてくれます。共感まで行かずとも、確実に話を聞いてくれている感情を相手が持ってくれるのは、心理的距離が少し縮まります。

但し、あまりにも使いすぎると、わざとらしく受け止められてしまいます。なので、適度に使用する必要があります。

「おうむ返し」も共感を引き出す

次に簡単な方法は「おうむ返し」です。言葉の通り相手が話した内容を、声に出して繰り返します。ただ、そのまま繰り返しては、ただの嫌がらせになってしまいますので、そのまま繰り返すのではなく、疑問形にして繰り返します。イメージ的には確認しながら進める感じになります。

たとえば、「人間関係に凄くストレスを感じるんです」と話したら、「人間関係に凄くストレスを感じるんですね?」と返します。これによって、相手は「話が正しく伝わっている」と感じてくれます。これで話の内容を否定しなければ、共感につなげることが出来ます。

ただ…相槌と同様に使用しすぎると、わざとらしくなります。適度に使用することをお勧めします。

「話の要約」と「たとえ話」

「話の要約」や「たとえ話」も共感を引き出せます。何気なく普段からやっている方も多いかと思います。「話の要約」や「たとえ話」は、相手に話を理解しようと努力していることが伝わります。これにより、共感していると相手は思うようになります。テクニック的には最も高度ですが、それだけに効果は大きくなります。

ほかの手段と異なりこれに限っては繰り返し使用しても相手は違和感を持ちづらいです。ただ…「話の要約」や「たとえ話」のポイントがずれていることを繰り返しすぎると、信用を失い相手に不快な印象を与えることになります。

絶対にやってはいけないこと

「共感してくれている」感情を最も簡単に壊す方法は、相手の言っていることを否定することです。意図的に相手の言っていることを否定する人は、よっぽどのことがない限りいないでしょう(絶対に間違っているという確証がある場合は否定すべきです)。ただ…無意識のうちに…それも良かれと思ってやっていることが、相手の言っていることを否定してしまう場合があります。

「いやいや…~すればいいよ」というアドバイスをしたことがないでしょうか?もっと良い方法を自分が知っていて、それを相手に伝えたいというアドバイスです。よくある光景かと思います。しかも…このアドバイスをした後に、自分のアドバイス通りに進めてほしくて説得したりしていませんか?この行為は完全に相手の言っていることを否定していることになってしまいます。これでは「共感してくれている」と感じてもらえないでしょう…。

このように自分がもっと良い手段を知っていてそれを伝えたい場合は、相手の選択肢を増やす言い方をするとよいです。選択を増やすだけであれば、最後の選択は相手に一任していることになります。これであれば、相手の言っていることを否定留守ことにもならず、しかも相手自らの決断によって選択されています。

まとめ

相手が「共感してくれている」と感じてもらうためのテクニックは3つ。①相槌を打つ②オウム返しをしてみる③「話の要約」や「たとえ話」をしてみる。このうち①②は使いすぎるとわざとらしくなってしまう。③は「話の要約」や「たとえ話」のポイントがずれ続けると信頼を失う。

相手が「共感してくれている」と感じてもらうために絶対にやってはいけないことは、自分の意見を押し付けること。押し付けずに、相手の選択肢を増やすように言うと相手を尊重していることになる。

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