WillとMustを近づける

Will・Can・Mustを聞いたことが有るでしょうか?Willは「やりたいこと」、Canは「できること」、Mustは「しなければならないこと」となり、この重なりを大きくすることが大切だと言われています。

しかし、頭の中で理解できていても、実際はそう簡単ではありません。WillとMustが余りにもかけ離れていて、重ならないのです。どのように考えれば重なるのでしょうか?

「やりたいこと」と「しなければならないこと」の重なりを大きく

まず理屈を先に説明します。「やりたいこと」「しなければならないこと」には、必ず目的があります。人がとる行動に目的が無いものは存在しないので、これは間違いないことと言えます。そして、この目的を頂点に、目的を達成するために「やること」が末広がりの様に存在しています。

パワーポイントで作成したのでみすぼらしいですが…

下のやることを達成して、初めて上のやることを実現できます。何事もそうです。小さいことの積み重ねが、大きなことを実現しています。そして、最終ゴールは目的です。先日「はやぶさ2」のカプセルが地球に帰還しましたが、まさに分かりやすい実例かと思います。

「やりたいこと」には目的があるはずです。もちろん「しなければならないこと」にも「やりたいこと」とは別の目的があります。WillとMustが近づかない人は、この2つの目的が「同時に達成できない目的」の場合が多いです。同時に達成できないから、近づかなくて仕方ないと思ってしまっています。

しかし、この目的は同時に達成する必要はありません。むしろ、同時に達成しようとするから、重ならないのです。目的は違えど、やることが同じことが実は多く存在しています。なので、目的を頂点とした三角形のすそ野を重ねます。こうすることで、WillとMustが近づくのです。

重なった部分はモチベーションを維持しやすい

そんな簡単ではない

ここまでの話で問題が解決した人はラッキーです。おそらくほとんどの人が、そんな簡単ではないと思ったのではないでしょうか?まさに、その通りで現実はそんな簡単ではありません。

なぜなら、お互いの目的が余りにも離れているからです。また、Must…いわゆる企業が果たそうとしている目的は、一個人の目的からすると非常に高いものになっています。つまり、絵にするとこんな感じになっています。

大きさが違うし目的の差も大きい…だから重なり合えない

「そうそう!そうなんだよ!」と言った感じではないでしょうか?多くの人はこのような状態です。しかも悪いことに、このような状態でMust…つまり仕事をすることは、「辛い」の一言で表現できます。

重なっている部分が無いので、仕事はするもの、お金を得るための手段に成り下がっています。これでは、仕事にモチベーションを持てるわけがありません。お金にモチベーションを持っている人がいるかもしれませんが…それは過去の記事に上げたとおり、むなしい結果しか産みません。

手段は1つのみ

「やりたいこと」と「しなければならないこと」に重なりを作るために、しなければならないことはただ1つのみです。それは、個人の目的を上げることです。個人の目的を上げることによって、目的を達成するための「しなければならないこと」のすそ野を広げるのです。

個人の目標を引き上げると、重なりができてくる

もちろんこれは容易ではないでしょう。「生活のために働いている」「家族のために働いている」を捨てるわけにはいかないと思っているでしょうから。しかし、捨てる必要はありません。ただ…仕事をしていてこの目的を達成できていない人はどれくらいいるのでしょうか?目的を達成できていないなら、この目的も妥当だと思うのですが…。

もし達成できているのであれば、目的をステップアップしても良いのではないでしょうか。目的が達成できているのに、そのままにしているのは、現状維持の自己満足に浸っているのと同意です。人生は長いですから、もうすこしステップアップしてもよいかと思います。

では、目的を上げるにはどうしたら良いのでしょうか?具体的に説明する方法が無いのですが、ひとまず前段の過去の記事にもある通り「貢献」をキーワードに目的を設定しなおしてみてください。貢献する対象は何でも良いかと思いますが、目的を上げることが必要なので対象は大きいものの方がより良いです。

企業の目的を下げるのはNG!?

個人の目的を上げるのではなくて、企業の目的を下げれば良いと思われがちですが、これはNGです。もちろん、突然企業の目的を下げたら、株主様に何を言われるか分かりません。そこで、企業全体ではなく、自分が所属している組織の目的に下げれば良いと考えるかもしれません。

しかし、(やってみれば分かりますが)これをしてしまうと、目的の距離がさらに離れてしまいます。どんどん、個人の目的と企業の目的が寄り添わなくなって、共通のキーワードですら見つけられなくなっていきます。

企業の目的を下げてしまうと、目的同士の距離が空いてしまう

企業の目的は達成できないからと言って、すでに下げてしまっている人は一旦リセットして元に戻しましょう。それだけで、重なりが出てしまえばラッキーです。

自分の人生を歩こう

本当に多くの人が他社に人生の目的を与えられて、その上を歩いています。確かにその方が楽な時もありますが、辛い時も少なくありません。他者に与えられた目的を達成するには我慢が必要になるからです。

我慢したくないからと、「やりたいこと」ばかりをやろうとすると何回もやり直しをせざるを得なくなります。これは、「やりたいこと」を実現するために「しなければならないこと」があり、その中には「やりたくないこと」があるからです。「やりたくないこと」と直面した時に、「本当にやりたいことはこれじゃなかった」と言って別の目的に走るのは、目の前の課題から逃げていることになります。

ただ…本当の意味で「やりたいこと」を見つけた人は、「やりたくないこと」を我慢する力があります。「我慢」と言う表現も適切ではないかもしれません。「我慢」をすると言うより、ぐっと踏ん張ってひょいっと乗り越えてしまいます。そういう意味で、人生をかけて本当にやりたいことを見つけた人は、凄く強いし美しく見えます。

会社に入ったからって、自分の目的を捨てる必要はありません。自分の目的を捨てさせる会社は、ブラックですから辞めてしまえば良いです。皆様も、自分の人生について熟慮して、本当にやりたいことを見つけてください。そうすれば、自分の足で自分の人生を歩むことができるようになります。

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